―少女死す―

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昔、ある少女がいた… その少女はいじめを受けているわけでも無く ごく普通の少女。 でも彼女にはとても深い心の傷があったんだ。 深い心の傷の原因は彼女自身も分からない…でも日に日につれて深くなっていく…ある日彼女は自殺を考えた… 理由が分からないまま生きていくのは辛い。 何がなんだか分からない世の中で生きていくのは辛い。だから死んでしまおうって… そして、実行した… 包丁を首に当てて一気にザシュッ!と音を立て切った。 ドクドクと生暖かい赤黒い鮮血を流しながら…彼女は感じた… あぁ、死ぬんだ…死ねるんだ…やっと楽になれる…皆ごめんなさい。 でも、これで良かったの…って…涙は出なかった… でもね…神様は意地悪だから彼女に一匹の"何か"を与えた。 その"何か"は彼女にこう言った。 『死なないで、生きて、僕の可愛い魂…一緒に狂ったワルツを踊ろう?踊り方を知らない?どうでも良いじゃん…そんなんじゃ自由になれないから。』 って…彼女は自分の深い心の傷を理解した。 自分はただ自由になりたかったんだ…何ににも縛られずに、あの、高い空にある雲のように… その"何か"は手を伸ばし、首に手を当てて、血を止めた…どうやったかなんてどうでも良い、きっとこの"何か"といれば自由になれる…何ににも縛られずに…彼女は決心し"何か"と旅に出た…           ―少女死す―
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