6/8
前へ
/43ページ
次へ
俺の所に来たかと思えば素早く煙草を取り上げた。 それが妙にイラついて思い切り睨み、低い声を出した。 「返せよ」 そんな俺に、一瞬怯んだようだったが、すぐにキッと睨まれた。 「返さないよ。これからも煙草吸ってたら怒るから」 全然怖くないが、俺を睨んでいた。 アイツは、よく俺の家に預けられるようになった。 親が仕事で忙しいからだ。 「最近煙草吸わないね」 アイツはそう言った。 俺は元々煙草は好きじゃない。 でも煙草を吸わなくなったら、もう俺のことなんて見てくれないんじゃないか…と思った。
/43ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1233人が本棚に入れています
本棚に追加