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「なぁ!何とか言えよ!」 その体の所々には痛々しい傷が残っていた。 回りにいる人はみんな泣いていて…。 此処を訪れる前にすれ違ったおばちゃん達は話していた。 「可哀相に…。即死だったって」 アイツのこと話してたなんて知らなかった。 訳も分からず此処に来たから。 手には禁煙用のガムが握られていた。 わざわざ買ってきてくれたことが嬉しくて人目も気にしないで大声で泣いた。 「…ありがとう」 その日かすれた声でお礼を言った、病院のベッドの上で…。 END
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