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その日は
なんの前ぶれもなくやってきた……。
その日、広貴は大学を
途中で切り上げ
七海の様子を見に行った。
病室にはいつもと同じ体勢で
空を見上げてる七海がいた。
ーーガラガラッーー
「広貴?今日はずいぶん早いね…?」
『うん…。七海のことが気になってね……。』
「そっかぁ…嬉しいなぁ……。」
「ねぇ広貴…もっとこっちに来て?」
広貴は
『どうしたの?今日は?』
と近づいた…。
七海は広貴が近づくと
広貴の手を握った。
『…!?』
七海は小さな声で話しはじめた。
「わたしね…広貴に出会えて本当に良かったよ…。わたしは自分のことを不幸なんて思ったことないよ……。だって私は広貴に出会うことができたんだもん……。だからね…私は世界一幸せなんだよ……。忘れないでね…私は広貴と一緒に過ごせた時間はかけがえのない宝物だったよぉ……。」
広貴は泣きながら答えた。
『なに言ってんだよ…!俺も七海と出会えて本当に幸せだったよ……。俺にとっても七海と一緒にいれた時間は最高の宝物だよ…!絶対忘れるわけないだろ…!』
「うん…。私も忘れなぃ....」
そう言うと
七海は微笑みながら
目を閉じた…。
『七海…!? おい七海?』
広貴は急いで看護婦を呼んだ。
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