第5章 ~お別れの日~

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その日は なんの前ぶれもなくやってきた……。 その日、広貴は大学を 途中で切り上げ 七海の様子を見に行った。 病室にはいつもと同じ体勢で 空を見上げてる七海がいた。 ーーガラガラッーー 「広貴?今日はずいぶん早いね…?」 『うん…。七海のことが気になってね……。』 「そっかぁ…嬉しいなぁ……。」 「ねぇ広貴…もっとこっちに来て?」 広貴は 『どうしたの?今日は?』 と近づいた…。 七海は広貴が近づくと 広貴の手を握った。 『…!?』 七海は小さな声で話しはじめた。 「わたしね…広貴に出会えて本当に良かったよ…。わたしは自分のことを不幸なんて思ったことないよ……。だって私は広貴に出会うことができたんだもん……。だからね…私は世界一幸せなんだよ……。忘れないでね…私は広貴と一緒に過ごせた時間はかけがえのない宝物だったよぉ……。」 広貴は泣きながら答えた。 『なに言ってんだよ…!俺も七海と出会えて本当に幸せだったよ……。俺にとっても七海と一緒にいれた時間は最高の宝物だよ…!絶対忘れるわけないだろ…!』 「うん…。私も忘れなぃ....」 そう言うと 七海は微笑みながら 目を閉じた…。 『七海…!? おい七海?』 広貴は急いで看護婦を呼んだ。  
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