決戦

2/8
前へ
/23ページ
次へ
 私は森の奥で待つことにした。  ここは少し開けていて、岩の並びがお気に入り。少しお花も咲いていて、とても落ち着くから。  良くも悪くも静かな場所。  そんな静寂を破る羽の音が聞こえてきた。  いよいよだ。  特にベリアルさんとは話をする事もない。ただ待つだけ。  やがて奥から物音や話し声が近づいてきた。  私たちは動じる事もなく、音のする方向を見つめている。  そして……。  現れたのは満身創痍の勇者様たち。 「ガッハッハッハ! 楽勝だな、おい! 俺がやってやるぞ!」 「ちょっと黙っててくれませんか?」 「ぐ、ぐぐぐぐぅ」  冷静だった。ベリアルさんより遥に強くなってる。これも勇者様のおかげ。 「遅くなったね、デイジー。さぁ! やろうか……」  立っているのもやっとじゃないの?  一番重症なのはナイトさん。聖者さんの肩を借りなければ歩けないほどだった。  こんな戦いは望んでない。お互いが体調を万全にして、全力で戦いたい。    私がそう言おうと口を開きかけた時、ベリアルさんを氷の粒が襲った。
/23ページ

最初のコメントを投稿しよう!

75人が本棚に入れています
本棚に追加