75人が本棚に入れています
本棚に追加
「なんだぁ?」
ベリアルさんは痛くも痒くもなさそうだった。
それもそのはず、魔導士さんの残り少ないマジックパワーでの魔法だったから。
「見つけたわ! みんなの仇をとらせてもらうわよ!」
フラフラしながら魔導士さんが叫んだ。
「あの村の生き残りの人間か? 残念だが、お前が勝てると思えんぞ?」
あの村……。確かベリアルさんは村を一つ壊して偉い立場になった。特に命令も無かったけど。その村の生き残りが魔導士さん。
魔族が嫌いなはずよね。
「負けらんないわよ! アタシが負けたら誰が仇をうつの!?」
「よしっ! お前から殺してやるぞ!」
ベリアルさんはそう言って、魔導士さんに歩み寄った。
「ベリアルさん、待って下さい。あなたが襲った村人はあなたに何をしたんですか?」
「あぁ、生意気に生きていたんだよ!」
魔導士さんは膝から崩れ落ちた。
「そんな理由で……、殺さないでよー!」
そのまま声を出して泣き、地面を何回も叩いた。
「すぐ仲間のところに送ってやるぞ!」
ベリアルさんは身構えた。
「だから待って下さい!」
私はベリアルさんの横まで歩いた。
最初のコメントを投稿しよう!