決戦

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「なんだぁ?」  ベリアルさんは痛くも痒くもなさそうだった。  それもそのはず、魔導士さんの残り少ないマジックパワーでの魔法だったから。 「見つけたわ! みんなの仇をとらせてもらうわよ!」  フラフラしながら魔導士さんが叫んだ。 「あの村の生き残りの人間か? 残念だが、お前が勝てると思えんぞ?」  あの村……。確かベリアルさんは村を一つ壊して偉い立場になった。特に命令も無かったけど。その村の生き残りが魔導士さん。  魔族が嫌いなはずよね。 「負けらんないわよ! アタシが負けたら誰が仇をうつの!?」 「よしっ! お前から殺してやるぞ!」  ベリアルさんはそう言って、魔導士さんに歩み寄った。 「ベリアルさん、待って下さい。あなたが襲った村人はあなたに何をしたんですか?」 「あぁ、生意気に生きていたんだよ!」  魔導士さんは膝から崩れ落ちた。 「そんな理由で……、殺さないでよー!」  そのまま声を出して泣き、地面を何回も叩いた。 「すぐ仲間のところに送ってやるぞ!」  ベリアルさんは身構えた。 「だから待って下さい!」  私はベリアルさんの横まで歩いた。
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