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彼の言葉を思い出す。
「ベリアルさん? 魔族とか、関係ないのですよ? 何もしてないのに殺すなんて……。ただの殺戮者です!」
私は右手をベリアルさんにかざした。
そして、「バースト!」と、魔法を唱えた。
ベリアルさんは膨らんで弾け飛んだ。
「ありがと……、ね」
余力の尽きた魔導士さんはそう言って倒れこんだ。
「聖者さん、ここを右手方向に行くと泉があります。泉の水を飲めばマジックパワーが回復しますよ。みなさんの回復をして下さい。しばらくしたらまたここに戻りますから」
私は踵を返して奥へと歩いた。
万全で戦いたいから。そう、戦うの。
しばらくして戻った。
待って居たのは勇者様一人だった。
「一人で良いのですか?」
「ありがとう」
「私は強いですよ?」
「また助けられたね」
「私、炎が得意です。対策はありますか?」
「アイテムは壊れるし、道に迷っちゃって……」
「聞いてますか!?」
私は心が揺れた。
「聞いて下さいよ……」
「……ごめん。聞いてる」
「戦う気はありますか? 私はあなたと戦う為に――」
「俺、デイジーが好きだ」
聞いてないじゃない!
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