決戦

4/8
前へ
/23ページ
次へ
 彼の言葉を思い出す。 「ベリアルさん? 魔族とか、関係ないのですよ? 何もしてないのに殺すなんて……。ただの殺戮者です!」  私は右手をベリアルさんにかざした。  そして、「バースト!」と、魔法を唱えた。  ベリアルさんは膨らんで弾け飛んだ。 「ありがと……、ね」  余力の尽きた魔導士さんはそう言って倒れこんだ。 「聖者さん、ここを右手方向に行くと泉があります。泉の水を飲めばマジックパワーが回復しますよ。みなさんの回復をして下さい。しばらくしたらまたここに戻りますから」  私は踵を返して奥へと歩いた。  万全で戦いたいから。そう、戦うの。  しばらくして戻った。  待って居たのは勇者様一人だった。 「一人で良いのですか?」 「ありがとう」 「私は強いですよ?」 「また助けられたね」 「私、炎が得意です。対策はありますか?」 「アイテムは壊れるし、道に迷っちゃって……」 「聞いてますか!?」  私は心が揺れた。 「聞いて下さいよ……」 「……ごめん。聞いてる」 「戦う気はありますか? 私はあなたと戦う為に――」 「俺、デイジーが好きだ」  聞いてないじゃない!
/23ページ

最初のコメントを投稿しよう!

75人が本棚に入れています
本棚に追加