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「みんな! 仲良くしてる場合じゃないわよ!」
ただ一人、この魔導士さんだけは身構えた。
「大丈夫だよ。彼女はデイジー。俺たちの命の恩人だよ」
「全然大丈夫じゃないわよ! この人は……」
私は魔導士さんが何を言いだすかを察した。
「ゆ、勇者様! 私と二人でお話をしませんか!?」
魔導士さんの言葉を制止させる為とはいえ、とんでもない事を言ってしまった。
……でも、やったぁ! 私、偉い!
「冗談よね!? 誰があんたと勇者と二人きりにさせるもんですか!」
魔導士さんはいきなり魔法を連発してきた。私は魔法の壁を作り何とかしのいだ。
「止めろ魔導士! 見ろ! デイジーには戦う意志が無いだろう!」
勇者様は本気で怒ってくれた。
「それに、もし本気で俺たちを殺そうと思っていたら……。俺たちはあの時に死んでいた!」
下を向いて悔しそうに叫んだ。
イヤだよ。笑ってよ。そんな勇者様は見たくないよ。
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