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「これ以上続けるなら、魔導士にはパーティーから外れてもらう!」
勇者様はとても真面目な顔をして、魔導士さんに向かって言い放った。
そして、魔導士さんの代わりに私を……。なんて無理よね。言わないよね。また誘って欲しいなぁ。
「わかったわよ。止めれば良いんでしょ? はいはい。魔族倒すのにどうして怒られなきゃならないの!」
私の言われたくない一言を言われてしまった。
きっと嫌われてしまうのよ。もしかしたらこの場で戦闘? イヤよ! まだ心の準備が……。
「魔族とか、関係ない! 魔導士は何もしない奴まで殺すのか!? そんなのはただの殺戮者だ!」
「なっ!? 普通そこまで言わないわよ? あんた頭イカレちゃったわけ!? それとも、もしかしてこの……魔族ちゃんに惚れてんの?」
な、何を!? 口論からこんな展開になるなんて!? 頑張れ魔導士さん! でも勇者様は私が魔女って知ってたの? 知っていて誘ってくれたの?
勇者様は沈黙したままだった。
「はっ! バカらしい! 本当に惚れてんのね? やってらんないわよ!」
魔導士さんはそう言って塔の中に戻ろうとした。
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