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父が騎士団の入団テストを受けて、合格したのは18歳の時だという。
当時のディルス将軍も、将軍ではなく1つの騎士団の団長を勤めていた。
その騎士団に所属したのが、父であった。
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「…暗殺騎士団?」
「そうだ。わしも最初はそこで働き、任務を遂行していたものだ」
「その騎士団…あまり聞いた事がないのですが……」
騎士団なのに、暗殺?
響きがなんだか悪く聞こえる…。
「それは暗殺騎士団と言うくらいだからな。世間に知られてはいけない、正義の暗殺をするのだよ」
「正義…?」
「そう、弱いものには手を出さず、裏で悪さをする組織や貴族を暗殺するのだ」
暗殺騎士団の詳細を聞いてみると、どうやらその騎士団に入る条件は、身軽さと攻撃の速さが欠かせないのだそうだ。
「ダイアンは、審査員だった当時の騎士団長達や王様を驚かすくらいの身のこなしであった。両手に剣を持つ戦士など、ダイアンしかいなかったからなぁ……」
「そ…そんなにすごかったんですか?」
将軍の懐かしむ目を見ると、本当に父はすごい人だったんだと知る。
「それはすごいものさ。慎重に物事を考える王様だって、すぐにあいつを採用したがっていたくらいだからな」
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