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外は未だ暗い。
目の前に広がる海から今年初めての太陽が顔を出すまで後僅か…。
「ううっ…寒いけどワクワクだぁ…。」
拓也が身震いをして優子の背中に隠れる。
「なっ…!普通逆でしょ?信じらんない!」
優子が拓也を睨み付ける。
「喧嘩は止めろよ!それより海見ろ!あの辺が明るくなって来たぜ?」
雄介が二人を引き剥がして海を指差した。
「いよいよだな…去年みんなで約束した初日の出見学!」
亮太郎も海に集中する。
「亮太郎ったら一番楽しみにしてたもんね!」
そう言いながら香織はしれっと亮太郎の隣をキープした。
「あっ!見て見て!端っこ見えたよ!」
彩子が興奮して雄介の腕を掴む。
「え!?あ…あぁホントだ!綺麗だな…」
内心それどころじゃない雄介だったが平常心を保とうと必死に取り繕った。
もうすぐ…
もうすぐ初日の出!
6人の心が踊る。
その時!
「君達!今何時か分かっているのか?条例違反だぞ!」
見付かってしまった…。
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