絶望

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「――――――。」 ドクンッ… 何…? 聞きたくない… 「聞きとうありませぬ!!」 気づけばそう叫んでいた。 ポロポロ… 「すまないな、陽炎。 ぉ前を悲しませることになると わかっていたのだが…。」 誰もいなくなった部屋で 声を押し殺すことも忘れて ただ泣いた。 ただ ただ 泣き叫んだ。 晄将様が… 私が愛してやまない晄将様が… ホカノオンナノモノニナル… 私の大好きな たくましい腕も 優しい笑顔も 切ない吐息でさぇ もうすぐなくなってしまう… 目の前が真っ暗で… 何も見えなくて… 貴方様を想うことで 今まで生きてきた私に 貴方様がいなくなった後 どうやって生きろと言うのですか…?
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