6人が本棚に入れています
本棚に追加
私達はいつもと変わらない1日を過ごしていた。
そうだと信じたかった。
「別れよう」
そう言われた瞬間には頭が真っ白で考えることができなくなった。
少し落ち着いたので
「なんで――ッ!?」
やっとの思いで出た言葉がそれだった。
「なんかお前楽しそうに見えないし。逆に暗くてなんか危ないし……」
「えっ……?私楽しかったよ!?別に暗くしてもなかったし」
とは言い出せなかった。
確かに私は暗かったかもしれない。
私は悩んでいたから。
何も進展しないこの関係に。
そう考えてると
「だから、な?別れよう?」
心の底からジワジワと滲むものがあった。
「……うん。わかった――」
最後は言葉になってなかったと思う。
「それじゃ……、またな」
彼は後ろを振り向かず歩き去っていく。
私はとうとう言い出せなかったことが悔しかった。
その中で言われたことを思い出していた。
「"なんかお前楽しそうに見えないし。逆に暗くてなんか危ないし……"」
最初のコメントを投稿しよう!