―序章― 石

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   通りには鎧を着た 決して格好のよいとは言えない不格好の男が声を荒げて叫んでいた。    【男は集まれぇぇい!! 逆らう者は容赦無く首を叩っ切るぞーっ!!!!女共はこの村にあるありったけの食料を持ってそこに並べぇぇい!!】      紗那盛は鎧武者の死角になる様に馬小屋の影に隠れて鎧武者の声を聞き取っていた。  此処まで近付けば嫌でも耳に届く野太い声だ。      紗那盛は気付かれぬように鎧武者の周りを覗く様に見た。  震えた様子の村人と、泣きわめく我が子の口を抑え声を殺し震える母親が見える。  鎧武者の気に障らないようにだろう‥‥。    紗那盛は鎧武者の後ろに目をやった。  声を荒げ叫んでいる男と同じ鎧を着た連中が軒を連ねている。  人影も合わせると20はいるであろうその中に、一際見事な甲冑に身を包む男の姿が見えた。  
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