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「それで、名前は『ミウ』だ」
「……ミウ?」
「そう、ミウ」
聞いたことのない珍しい名前だ。でも、日本国内探せば他にも『ミウ』はいるだろうな。
「それで、漢字は?」
「魅惑の魅と羽だ。それで魅羽」
「ますます珍しい名前……」
日本国内探してもこんな名前、いるだろうか?
「珍しいだけじゃなくてな、画数が多いんだ。苗字、名前の合計画数が……」
カズの指が空中を踊る。城鐘魅羽の字を描く。
「五十画か。イチジクの合計画数は――」
「ハジメでいいよ。そっちのほうが慣れてるから」
苗字の読みが分からないから名前で呼ぶ人が多い。だから慣れた。
「そうか。じゃあハジメの合計画数は……」
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