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今度は指が踊らない。頭の中で文字をなぞっているだろう。九一の字を。
「たったの三画か!」
約一秒で導き出した。そして続ける。
「およそ……十六分の一……そんなことってあるんだな」
ちょうどチャイムが鳴って先生が教室に入ってくる。そのまま通常通りに授業をし始める。一部を除いてすべて通常通りに。一部……城鐘がいない。でも、教室内はそれが当たり前のように授業を進めている。
五分後……来ない。
十分後……来ない。
二十分後……来ない――。
ついに授業が終わった。……屋上に行ってみようか。
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