レンズ使い

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 チャイムが鳴り、ぎりぎりで城鐘が教室に入り込んできた。ほぼ同時に教師も来た。よく危ない橋を渡れるな、とつい感心してしまった。  何事もなく――言い換えるとするならば寂しく数日が過ぎ、今の生活に慣れてきた。クマも消えたし、健康体そのものだ。  休日。ふと、町内を歩いてみようかと思った。何か発見があると思うし、何より、もしかしたら城鐘に会えるのかもしれない。  そしたらばったりと出会ってしまった。 「あ、やぁ、カズ」 「お、偶然だな。これからどこか行くのか?」 「どこかに行くんだよ。町内探検みたいなもの」  理由は聞かないでほしい。 「そっか。じゃあまたな」 「また……あ、そうだ」  突然目的地が決まった。 「カズの家行っていい?」 「ああ……俺はいいけど」 「よっしゃ。なら行こうよ」 「オッケ、案内してやる……って言ってもすぐそこなんだけどな」
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