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「金子君、それは本当かい!? 結城君が自殺したって……」
金子から、梅の宿に宿泊していた絢米に連絡が入ったのは、三月の三十日。即ち、梅島の、守の死亡事件が起こった二日後の早朝であった。
「すぐにそちらへ向かうからちょっと待っていてくれ。」
絢米は、そう言うと電話を切り、着替えもそこそこにT県警の近くのビジネスホテルに向かうのだった。
守の件の警察の事後処理は、あっさりと自殺で片付けられかけていたのだが、はっきりとした自殺の動機が無い事など、疑問点もあった。
それ故、また事情聴取があるかもしれないから、という理由で八人の大学生達は近くのホテルに足止めされていたのだ。そこに、金子と結城の二人が、念のために、と配置されていたわけである。が、その結城が自殺をしたという。
急いで駆け付けた絢米は、T県警の捜査班よりも早く現場に到着し、金子と二人で、結城の死亡確認と現場の保存に取り掛かった。
結城は、首を吊って、床に僅かに足が付くように、そう。守と同じような死に方をしていたのだった。
そして、部屋の机の真ん中辺りには、結城が持ち歩いていたモバイルパソコンの液晶ディスプレイが開かれていた。
そこには遺書と思しき文章が映し出されていたのだった。
その内容は、以下の様なものであった。
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