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守を殺したのは私です。
皆様にはご迷惑をおかけしました。どうしても彼が許せなかった。
守が由亜を殺した様なものだったから。
あの交通事故は避けようがなかったのは分かっています。しかし、由亜の命を奪ったのもまた事実。
許せなかった。
梅島で犯行に至ったのは、八人の大学生達に罪をなすりつける事が出来ると思ったからです。
或は、『自殺』ということになれば、それ以上に都合が良かったから遺体をあの様な状態にしました。
でも、もうダメだ。
人を殺して、そのまま生きていくほど僕は強くなかった。もう耐えられない。
親父、顔に泥を塗るような事になって申し訳ありません。今までの事は本当に感謝しています。
林実希さん。君は当時、守と付き合っていたね。僕が殺しの動機を持っていた事を証言してほしい。君もあの車に乗っていた事は、調べればすぐに分かるはずだ。
最後に守と付き合っていたという三角由季さん。僕は君にも謝らなければいけない。
昔の僕と同じ目に遭わせてしまった。
本当にすまない。
少額だが、僕の口座の金は、文芸サークルの皆さんで分けてください。迷惑料には足りないかも知れないが。
それでは命をもって罪を償います。
三月三十日。
……結城咲人
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