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プロローグ2
……あとがき
近年の推理小説は、マンションやアパートの一室で人が殺され、ヤリ手の刑事が現場に残された僅かなヒントから犯人を見つけ出す。といったものがやたらに多い。私はその手のものがどうも好きになれないでいる。
例えば、そう。この本を手に取って、真っ先にこのページを開いた読者は私と同じ考えなのではないだろうか。
人里からはなれた山荘で人が殺され、名探偵が事件の全貌を明らかにする。そこにある大掛かりなトリック、密室、意外な犯人、不可解な点、読者への挑戦。時代遅れでも本格と言えるような筆者の計らいのある本。
そんな本が私は好きだ。
本当に推理小説が好きな読者なら分かってくれると思う。
この本は、過去に実際に私が関わった事件を題材にしているが、その事件には不可解な点ばかりだった。ミステリファンの仕業としか思えない事件で、被害者も大のミステリ好き。或いは被害者の最後の作品となってしまったのかもしれない。しかし、死者には文章は書けない。そう思ったが故に、私が代筆する事にしたのだ。
あとがきから読んでいる本物のミステリファンのために犯人を示すのは控えるとしよう。
私の処女作となったこの作品だが、実は私自身も本の中で登場している。
あとがきから読み始めた読者は、それを踏まえてよんでほしい。
すでに読み終えてしまった読者は、私が何と言う役名で出演していたかを推理してみていただけるとありがたい。
答えは必ず分かるようになっているので、よければもう一度目を通してほしい。ヒントとして、色々な書き方で名前を書いてみてもらいたい。
それでは、次回作まで私の事を覚えていてもらえることを祈って、一度筆を置くとしよう。
では、またいつになるか分からない次回作まで。
古久根 亜由
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