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「暇だぁーーーーーよ」
東京千代田区、ここにとある事務所があった。事務所の名前は、無い。名義だけ、と言うことでとりあえず『神田相談事務所』と名は付けてあるが正式な名は無い
そんな事務所に人間が三人いた。その一人、桑原藍(クワバララン)が暇そうに椅子に座った格好で伸びをした
歳は20代前半、可愛いというよりかっこいいといった方が適切な顔立ちをしていた。女性にしては短い髪、身長は168cm位である
椅子に座った格好と言う言い方が適切な理由は、彼女が椅子が無い場所に椅子に腰掛けるように座っているからである。しかしあまりに不自然なその姿に驚く者は一人もいなかった
「ねぇ、最後に依頼が来たのいつだっけ?」
「2ヶ月前だ」
答えたのは西塔風見(サイトウカザミ)
歳は20代後半、身長は170cm位でこの事務所の経理を担当している。髪は目にかからない程度に切り揃えられ眼鏡を掛けている
彼は普通に椅子に座っていた。しかし彼のおかしなところは、腕が肩の下から二本余計に生えている。それが書類の整理をしているという点だ
「依頼来ないかなぁ」
と藍がぼやいた時
ガチャ
と事務所の扉が開いた
「あの、依頼をしたくて来たんですけど」
扉の前にいたのは、10代後半の少女であった
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