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「依頼!?マジで!?」
藍の目が輝いた
「風見、社長起こして」
「おう」
風見は事務所の奥に姿を消した
「とりあえず、ようこそ神田相談事務所に。とりあえず入って」
藍は少女を事務所内に招いた
「はい、どうぞ」
藍はインスタントコーヒーを少女に出した。手を使わずに、カップが勝手に浮かんでコーヒーをいれ、少女の前まで飛んできた
少女は驚愕の表情をして
「本当だったんですね。超能力者がいる事務所があるって」
「あたし達としてはオラクルマスターって言ってほしいんだけどね」
オラクル、それはこの世に存在する、人にある人ならざる能力、神田相談事務所は社員全員がオラクルマスター、すなわち超能力者なのである
「名前は?」
「浅野凛(アサノリン)です」
「そう、じゃあ凛、今回はどんな依頼?」
凛は俯(ウツム)いたまま
「父を捜して欲しいんです」
「お父さんを?」
凛は無言で頷(ウナズ)いた
「詳しく教えてくれる?」
凛は説明を始めた
「五年前、父が行方不明になったんです
最初は警察に捜索願いを出したんです
だけど見付からなくて、それから自分で探したんですけど、やっぱり無理で、正直少し諦めたんです。でも、この事務所の噂を聞いて、これにかけてみようって思ったんです
もしも、これでダメなら私はもう、諦めるつもりです」
凛はそこで一度言葉を切った
「お父さんの名前は?」
これは藍の声でもなければ風見の声でもない
「社長、やっと起きたんですか?」
「すまんすまん、最近寝不足でな、んで、お父さんの名前は?」
神田相談事務所社長、神田太一(カンダタイチ)30代後半、無精髭(ブショウヒゲ)を生やし身長は180cm位、がっしりとした体格をしている
太一の質問に凛は
「父の名前は、浅野徹(アサノアキラ)です」
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