出逢い…ウルトラマリン

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気が付くと私は、   見知らぬ駅の改札口にたっていた…   後では、 イライラした女性の声が私を急かした…   促されるまま改札を通ると、     そこには、若い青年がいた…   彼は私に手を振っている…     『ここやで、ちゃんと来れたやん…ぽぽたんさん』       私は呆然とした…        なぜなら、私は最近、 頻繁にメールをやり取りしてる人が居て…   その相手は、若い男性であると言うこと以外は、 何も知らなかっのだが、     ただ送られてくる絵文字や顔文字混じりの文章から、イメージを勝手に作り上げては楽しんでいた。        けれど…       そんな彼が今ここに…   突然現われたのだから… 驚かずに入られない…       私は、自分の身に何が起きているのか理解できずにいたけど…   恋心を抱いていた彼が… 今、ここに居る…     それだけで胸は高鳴った…      『荷物めちゃすくないなぁ~… 俺のアパートはこっちやねん…』       彼は、はずむ声で私の荷物を持ってくれた。   ブルージーンズにスニーカー、 深緑のニットセーターに同系色のブルゾンと…   ラフな姿に ウルトラマリンの香りがした。     彼の冷えきった左手が私の右手を掴み、 優しい笑顔で歩きだした。     思い描いていた光景…       『ぽぽたんさんと逢うの楽しみで、この日を待ってたんやで、あのな…』       彼は、さらに話しを続けた…     不思議だなぁ~ 彼とずぅっと前から こうしていた気がする。     やがて、つないだ手が温まり、 歩くたび ウルトラマリンの香りが漂った…       彼の穏やかで優しい声…   ブルゾンの擦れる音…   二人の靴音…   それら全てが、 冬の夜に消えて行く…       どうか覚めないで… もう少し彼と このままでいたい…から…
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