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AM10:55
類は散歩の帰り道だった
類「なぁ…ムル」
ムル「なんだ?」
類「なんで僕にはお前がついたんだ…死神はたくさんいるんだろ?…なのになんでお前が僕に……例えばお前がつけるのが僕だけだとか?」
ムル「それは違うぜ…死神はお前のような特別な人間であれば誰でもつける」
類「じゃあなんで?」
ムル「クックック…俺はずっとお前に目をつけてたんだ…」
類「僕に…」
ムル「あぁ…確かにお前は普通の高校生だ…だけど俺はきっとお前が俺を救ってくれると思った」
類「なるほど…それで僕が死んだ時に…」
ムル「あぁ…直ぐにお前に飛び付いた…なんせ死んでからじゃなきゃそいつが特別かどうかわからんからな…」
類「そうか…でもなんで7日もかかったんだ」
ムル「そんな事俺にはわからんが…俺が言えるのはお前が生き返らなきゃ今頃俺は死んでるって事だ」
類「なんで?」
ムル「死神界では下級死神が人間につけるかどうか試せるのは三回まで…」
類「…失敗したら」
ムル「殺される」
類「厳しいな…」
ムル「あぁ…俺はお前で丁度三人目だった」
類「はは…僕が選ばれた人間でよかったな」
ムル「笑い事じゃないぞ…本当によかった…今でもお前がもし違ったらと思うと身震いするぜ」
類「そんなに怖い所なのか」
ムル「死神界もそうだがもっと恐ろしいのは……いや止めとこう…話すのも怖い…」
類「……俺も聞きたくなくなった…もういいよ…」
ムル「そうかぁ~…そう言ってくれると助かる」
類「じゃあもうひとつ聞いてもいいか…」
ムル「いいょ…なんでも聞いてくれ…答えられるなら答えてやるよ」
類「僕みたいな…そう選ばれた人間っていうのは他に居るのか?」
ムル「それは…悪いが答えられない…」
類「なんだよ…掟なのか」
ムル「いや…実は……」
類「…実は?」
ムル「…俺も知らないから」
類「なんだよそれ…」
類は呆れたように言った
ムル「悪い…でも確か一人のはずなんだ…だけどわからない」
類「もういいよ」
ムル「スマン」
11:00
類「…なぁムルあの人…」
類が指さす先をムルも見ると
ムル「あれは…今日だな」
類が指差す先に居たのは女性だった…その人は寿命が今日になっていたのだ
類「今日の…23:15…また23時という事は通り魔…」
ムル「かもな…」
類は歩き出した
ムル「おいっ…止めた方が」
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