繋いだ手

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「ん?なんか言った?」 「あっ、ううん。なんでもない」 「そう?あ、でさぁ、映画何にする?俺はさぁ…」 そういえば、あの日もここで映画の話だったっけ。 緊張して何を話していいかわからなくて、適当にハニカんだり、訳もなくやたらと毛先をいじったりしてたなぁ… あれから何年? 二年…くらい?! 早いなぁ… あの時もこうして窓際の席でミルクティーを飲んでたんだよね。 「でさぁ、やっぱさぁ、映画見終わったらなんか食べに行きたいわけ!俺はさぁ、マー君が言ってたパスタ屋に行きたいんだよね。どぉ?大丈夫?ねぇ?」 「えっ?あっ…あぁ、いいんじゃない?」 「おいおい、さっきから少し変だぞ?」 「え?そぉ?何でもないよ。大丈夫大丈夫」 なんか…あの時と似てるな… 彼は一生懸命話してくれてるのに、私は緊張してどこかうわの空。 最初がそんなんだったし、しょうがなかったのかな…? 結局あの時の恋は実らなかった… なんでだろ…? なんでだろ…ね?
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