封印されしもの…

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壊れ瓦礫の山と化した、今は人気のないドームから拾って来たものらしい。 小さな筒からお茶葉らしきものを、こし器に移し、三つのカップにかざしてポットの湯を注ぐ。 香ばしい匂いが立ちのぼった。 「へ~え…いい香りね。」 「そう思うか?」 ガイは、アードとエイカにカップをすすめ、自らも手にし口元に運ぶ。 「これ…父が作ってるお茶と違うわね。」 匂いをかいでおいて、エイカは言った。 「昔読んだ本に載っててな…蒸したり乾燥させたり、手で揉んだり…結構大変なんだが…。」 「なんて言うんだ?」 アードが珍しげに聞く。 「ニホン茶…緑茶とも言うらしい。」 ガイがぶっきらぼうに答えた。 「甘いものに合うね…これ…。香りも佳いけど美味しいわよ。」 一口すすって、味を楽しむようにエイカが言う。 エイカはニコニコしながらモチをかじり、また茶をすする。 「それはそうと、ガイ…最近何やってるんだ?ドームの方でゴソゴソやってるの見掛けたって人がいてな…あそこ危ないぜ、いつ崩れるか判らないし…。」 アードがカップをテーブルに置きながら言った。 「…ん⁉…ああ…実は、その事なんだが…お前たちにちょっと力貸して貰いたいんだが…。」 ガイの言葉にアードとエイカは顔を見合わせた。 「俺達の力位なら、幾らでも貸すが…いったい何をやろおっていうんだ?」 うんうん、とエイカが頷く。 「ああ…後で話すよ…。」 それからしばらくの間、モチをかじり、お茶を楽しんだ。 「さて、行くか…。」 「何処へ…?」 「ドームさ…!」
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