封印されしもの…

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超地震は、巨大都市型ドームの強硬度の壁や天井など物ともせずに打ち砕いてしまった。 二十三世紀の終わり頃発見された元素パラトリュウムは、火星産の特殊な金属であった。 当時の算定では、マグニチュード9クラスの地震にも威力を発揮すると目されていたのではあったが…。 巨大なドームの中心部から大きく陥没していて、それが広範囲に広がっている。 むしろ外殻部の方が形状を残している。 三人は、非常用進入口の一つの扉の前に立っていた。 「ガイ…本当に大丈夫なのか?」 アードが巨大な瓦礫の前で、首をすくめた。 「フッ…そうびくつくな…大丈夫さ。」 ガイは、笑いを口元に浮かばせた。 「ったく…アードは、体は大きいのに、からきし意気地がないんだからもう…アウトピーブルはそんな事じゃ勤まらないわよ。」 エイカにまでからかわれている始末だ。 ガイは非常用進入口の扉を両手で押すように開く。 恐れ気もなくエイカがいの一番に入って行く。 その後からアードが続く。 ガイは最後に入ると、扉を元通りに閉めた。 照明は点いていないが、仄明るい。 ガイはエイカに替わって先頭に立って歩き出す。 所々、天井材や骨材が通路を塞いでしまっているのだが、その隙間を難なくガイが通り抜けるのを見て、二人も続く。 その様にして十分も歩いた頃、小さな研究室らしき場所に到着した。 不思議な事にその入り口が、どう見ても普通の扉には見えず、壁の一部分がポッカリと抜け落ちたようにしか写らなかったのである。 さしずめ極秘の隠し部屋といったところである。 先に入ったガイが、コンピューターのディスプレイの前で腕組みして立っていた。 「なんだこの部屋?」 アードは室内を見回して言った。
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