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ここに、古くから伝わる、伝統ある忍びの家系があった。
彼らは早くに両親を失い、この物語の主人公、紫音[シオン]は4人の兄の手で育てられた。
そのおかげで、彼女は好奇心旺盛ではあるが、とても身体能力の高い忍びとなった。
「紫音……あまり遠くに行っちゃダメだよ?」
丘の上にたつ、綺麗な一軒家の二階の窓から声をかける長男、朱那[シュナ]。
「晩飯までに帰ってくるんだぞ!!」
「時間に遅れたら飯抜きだからな」
勝手口の所と、物干し竿の下から声をかける次男で双子の雅黄[マサキ]と和黄[カズキ]。
「くれぐれも…あの家には近づくなよ」
いつもパソコンを手放さない四男の碧唯[アオイ]。
「わかってる!!行ってきます!!しー兄、雅兄、和兄、碧兄」
滑るように丘を駆け下りる紫音はすぐに姿を消した。
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