カミングアウト

3/6
前へ
/611ページ
次へ
「私達さ、付き合うことにしたんだ」 トレミ―内の食堂で呟いたのは、紺色の髪をした少女。 彼女の名前はセルリカ・マルシェ―ン。 ソレスタルビ―イングのガンダムマイスタ―で唯一の女性。 「へぇ。彼氏が出来たんだ。おめでとう」 そう言って微笑んだのはアレルヤだ。 食事の手を止めて、セルリカに祝福の言葉をかけた。 「ありがとう。アレルヤ」 「セルリカに彼氏ねぇ…。随分、マセタじゃないか」 「私だって、十七歳ですから」 ロックオンの言葉に胸を張って返した彼女。 すると、今までセルリカを見ていた刹那が口を開く。 「…セルリカは記憶喪失なんだろう?何故、分かる?」 「ヴェ―タに調べてもらった結果、判明した」 本から視線を外さずにティエリアがそう返した。 相変わらず容赦ない切り返し方だ。 そうセルリカは心の中で呟いた。 「なら、お祝いしないとな」 「そうだね」 ロックオンの言葉にアレルヤが同意する。 「…俺も手伝う」 その言葉にセルリカは嬉しそうに笑う。 「本当に!?じゃあ、私はロックオンの料理が食べたい!」 「意外と控え目だな。セルリカ」 苦笑するロックオンにセルリカはそんなことは無いと返した。
/611ページ

最初のコメントを投稿しよう!

16人が本棚に入れています
本棚に追加