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時計のチャイムが鳴り、皆、今日の仕事を終え、帰り支度をしている。
「楓~💦今日時間ある?ご飯いかない?」
と、泣きそうな顔で近ずいて来たのは、楓の親友で、同じ営業部の倉富真奈美(くらとみまなみ)。彼女は楓と一緒に入社し、その日のうちに仲良くなった友達で、楓が唯一、心を許せる存在なのだ。
「何~?また彼氏と喧嘩~?」
と言いながら、制服から私服に着替え、会社をでると、フッと楓が立ち止まった。
「ん~?楓?どしたの?」
そこには綺麗な満月がでていた。
(あの時と同じ月だぁ…)
実は楓は、一年前、この会社に入社してすぐ、その時付き合っていた相手に振られていたのだ。今さら未練などはないが、その日が、あまりにも綺麗な満月だった為、満月を見ると思いだすのである。
(そーいえば、あの日、振られて泣いてた時、大丈夫か?と声をかけてくれたのは誰だろう?きっとこの会社の人だろうけど…恥ずかしくて、逃げちゃったんだよね…)
「楓?どしたの?具合悪いの?」
とゆう真奈美の声に、
「ごめんね、何でもないよ」
と言いながら二人は歩いていったのだった…
一年前のあの日、あの時出逢った二人が恋に落ちる事もしらずに…
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