プロローグ

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まず話しておかなければならないのは、この惑星ルナティアの不思議な成り立ちについてだ。 この星は遠い彼方にある星、惑星〈アース〉という星とまったく同じ惑星なんだ。 文明や、住んでいる人間が違うだけで。 ある意味、アースの未来の姿……とも言えるな。 惑星アースが高エネルギー砲を受けて消滅し、アースの衛星〈月〉がタイムホールを用いてこの消滅を回避しようとした……。 消滅する直前の星を過去から未来に持ってくることで、消滅を回避しようとしたんだ。 だが、この行為はタイムパラドックスを発生させ、消滅を免れたアースを遥か過去の時空間に飛ばしてしまった。 こうして、アースという星は2つに増殖し、俺達のいる方のアースはルナティアという星になったのさ。 これを頭に入れて聞いて欲しいんだけど、アースを破壊した高エネルギー砲を撃ちだすのは、ルナティアにいた〈思念体〉という連中で、その撃ちだしたエネルギーというのは、他ならない〈ルナティアという星そのもの〉をエネルギー化したものだったわけ。 まとめると〈思念体〉という奴らが作った組織が、ルナティアを破壊してアースをも破壊することで、ルナティアは誕生するという〈時間の鎖〉が生まれてしまったってこと……な。 俺達はその〈時間の鎖〉を断ち切るべく、〈思念体〉達に戦いを挑んだ。 奴らを倒すこと、それはこの星の終焉を意味しているわけだけど、ね……。 でも、俺は奴らを倒すと決めた……。 それが、どんな犠牲を払うことになったとしても……、それで俺達自身が消えてしまったとしても、〈思念体〉達がルナティアをエネルギー化する過程で何度も何度も沢山の人が殺されていくなんて、耐えられないから……。 俺は明日、この連鎖を断ち切って自ら〈滅び〉の道を選ぶ。 選択することが〈未来〉だと信じているから……。
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