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予選が始まった。
モテ冷蔵庫の中は想像以上の極寒で、冷蔵庫というより冷凍庫といった方が近い。
モテ冷蔵庫の中には椅子と机が用意されているが、全て氷で作られている。
俺は仕方なく座った。
『冷て~な~!』
まぁ予想通りの結果だ。
この極寒の中、堀田は平然と座っている。
身震い一つせずに。
春夏秋冬海パンで過ごす堀田にとって気温など敵ではなかった。
10分経った。
まだ脱落者はでてない。
すると、何かが運ばれてきた。
アイスクリームだ。
普段はおいしいアイスクリームもモテ冷蔵庫の中では悪魔同然。
運んできた人が何か言い出した。
『このアイスクリームを今から10分以内に食べ終わらなければ失格です。では、始め!』
俺は仕方なくアイスクリームを食べ始めた。
やはりこの環境で冷たいものを食べるなど、食が進まない。
だが、堀田はなんの躊躇もなくアイスクリームに食らいかかる。
変態かこいつ…。
『寒いよ~…無理だよ~…助けてよ~…』
なんかうるさい奴がいた。
村瀬だ。
あいかわらず、気持ちの悪いキノコヘアーだ。
俺はアイスクリームを早く食べて、村瀬をボコボコにする作戦を隣に座っている男と決めた。
俺と隣の男は村瀬より早く食べ終わり、ボコボコにしに行った。
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