帰宅

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 すると、中には写真が一枚だけ入っていた。青く透き通る海をバックに砂浜に座る二人の少年と少女。拾ってきた枝を砂浜に突き立て、白い布を旗の代わりにつけ、その二人は笑顔でピースサイン。  その写真に黒いペンで何やら書いてあった。少女の方に矢印が引いてあり、その先には“サチ”、同じく少年の方には“俺”という文字。そして、少年の頭上には“元気か?”の文字が書かれていた。  サチには、それが誰なのか分かっただけではく、忘れかけていた幼い日々の気持ちがよみがえってきた。
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