lost angel～あの日、碧にキミがいて～

朝

　白いページの中央に、“昨日と同じ”という文字だけが記された日記帳。その文字を書くだけで精一杯の気持ちを抱えたまま、サチは机に突っ伏し眠ってしまっていた。
　気が付けば時刻は、午前6時30分になろうとしている。白いソファーの上には、投げっ放しのバッグとジャケットとワンピース。玄関には、脱ぎっ放しのハイヒール。どれもこれもが、今の彼女の心情を象徴していると言えるだろう。そして、回り続けている扇風機が、机の上で寝てしまっているサチを静かに見守るだけ。