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例えるならそれは人より少し大きなゴリラ
しかし、ゴリラと違う
手は生きた獲物を仕留めるために太く長い爪が三本
目は獲物を逃がさない。そして、暗闇でも獲物を見極める目
その目は大きく、顔の半分は目じゃないのかってくらい大きな一つの目
筋肉質で紫の色をした不気味な皮膚
つまり【怪異】
この世のモノではない存在
その化け物が彩の目の前に立ちはだかっていた。
彩は否定した。
こんなの居ない。いるはずない。
いちゃいけない!
しかし、その存在は15m先に居て、こちらを観察するかのように見ている。
動けない。背中を見せたら殺される。でも逃げなきゃ
彩は恐怖で動けずただそ場に立ち尽くしていた。
冷や汗が体を伝う。
ふと、その化け物が鼻をフンッと鳴らし、そして次の瞬間、吠えた。
【ガァォオォオオ】
彩はそれが合図といわんばかりに走った。
殺される。殺される。殺される。殺される。殺される。殺される。殺される。殺される!!
無限に鳴り響く頭の警報がそう告げた。
彩は走った。どこまでも。
後ろにはさっきの化け物が追ってきている。
だから走った。この出口の無い森の中を………。
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