1章:始歌

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「が~~」 「く~~」 「………」 みなそれぞれの寝息を立てて寝ていた。一人を除いては。 智子は眠れないでいた。 寝るには満月の光が明るすぎ、そして不気味だったからだ。 そして私は純の方を見た。 「意気地なし……」 私はそう呟いた。 このキャンプ計画は私と純のためのようなモノ 実際、美紀と彩は私に協力してくれる形でキャンプに参加してくれた。それなのに……。 何寝静まってるのよ、バカ純 私はため息をついた。 瞬間、テントの近くに何か横切った。 大きいなにかが横切った。 な、なによ……。 私は急に怖くなりみんなを静かに起こした。 「ねぇ、ちょっと」 三人は なんだよ~ といった感じの顔でそれぞれ起きた。 「何?智子?」 一番最初に口を開いたのは美紀だった。 「ちょっと、見て……」 私はテントの外を指差した。 満月のおかげでやけに外が明るい。 そして、みんながジーッと見ている時………この静寂な山の中にはありえない叫びが聞こえた。 【ガァォオォオオ】
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