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それは動物の声
いや、動物なんていう生易しモノじゃない。
それは狼の遠吠え
いや、狼より凶暴だ。
それは……
怪異の声
四人はその叫びを聞いたとたんに震え上がった。
この世のモノとは思えない、ばか正直な喜びの叫び。
「みんな、逃げるぞ!」
純は叫んだ。そしてみんなテントから出ていった。しかし、テントから出てきたのは、智子、純、美紀だけだった。
彩は出られないでいた。さっきの【声】を聞いただけ足がすくんでしまい。呆然としていた。
そして、外から純の声が聞こえた。
「彩、早くいくぞ!」
その言葉に我に帰った。
は、はやく行かなきゃ……
そう足を前に出した時、悲鳴が聞こえた。悲痛と恐怖と絶望感のある悲鳴が……。
「きゃあぁああぁ」
「なんだこいつら!」
「はやく、はやく逃げよ!」
テントの外では何かが起きていた。
彩は思った。今ここから出たら殺される。でも、ここにいても殺される。
彩は三人が出たテントとは逆の出口からテントを出て、その場を離れた。全力で。後ろからは、助けを求める悲鳴がした。
が、逃げた。本能が逃げろと言っている。
そしていつしか悲鳴は闇に消えていった。
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