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それから二十分ほど経過したころ、リッドは既に図書館の直ぐそばを歩いていた。
町の端にある図書館は、どこか見つけにくいところにある。だが、リッドは意外や意外、そこが結構好きなのだ。
まあ、
「昼寝するのにもってこいだよなあ…」
…という理由でだが。
「うるさいからいびきはかくなよ、リッド」
「あ、よう、キール」
いたのか、と彼は顔を上げた。
「…待ったぞ」
「何か用か~?」
「ああ。とにかく中へ入ってくれ」
キールに促されるまま、リッドは図書館の中に入っていった。
「僕は今、剣について論文を書いているのだが…どうせなら剣を扱うお前の話も聞いておこうと思って。」
キールは歩きながら話しだした。
「剣?…なんでまた?」
「サグラが強くすすめてくるものだから、断れなくてな」
「適当に書けやいいじゃんか」
「それは駄目だ。晶霊学だろうと単なる武器だろうと、研究材料は研究材料だ。……リッド」
「あーはいはい、わかりましたよー」
「付き合って貰うぞ」
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「…他には?」
「急かすなって…えーっと、ヴォーパルソードってのがあったな…水の剣で、青いやつ」
「ふむ…他には?」
「ええー?これ以上覚えてねえよー!つか、これ何の論文だよ!」
リッドは、キールから受けるこのある意味での拷問に耐え兼ねていた。
「確認するぞ。21種類、アースブレード、アイスコフィン、ヴォーパルソード…」
そして彼はその20以上の剣の名を言っていき、
「ラストフェンサー、レイピア、ロングソード。以上か?」
と、疲れた様子も無くリッドに尋ねていた。
「あのなあ…いくら俺が武器を集めまくったコレクターだからって……ん?」
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