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「キール!キール!」
陽も南中に差し掛かろうとしていた時、幼声が耳元をつついた。
「…メルディ。どうかしたか?」
朝が弱い僕は、この時間はまだ覚醒していない。視点が定まらないまま、少女に言葉を投げた。
「リッド!リッド来たよ!ファラも!」
僕は耳を疑った。そしてショックでこすられるほど眠いモードな目もぱっちりと覚めてしまった。
「ほ、本当か!?それは……いや…しかし、オルバース界面の消失によりセレスティアとインフェリアは分裂し、その空間と言うものは―…」
彼女…メルディは、僕の手を握ったかと思うと思い切り降った。
「キール、メルディ嘘がつくか?」
「あ…!…嫌、すまない。」
僕はメルディに手をつかまれたまま目を伏せた。しかし、それはすぐに中断され、痺れを切らしたメルディによって無理矢理外へと連れられる事となった。
「はいな、いくよお~!」
「ちょ、ちょっと待てよおお~っ!!!」
因みに、僕の叫びは空しくメルディは待ってはくれなかった。
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