変わるから、変わらない

7/9
前へ
/22ページ
次へ
その夜。 僕とリッドは、(当然の如く)同じ部屋で寝る事となった。 リッドは先にベッドに入っていたが、僕は寝付けなく、ベッドの上に座っていた。 「寝れねえのか?」 ふとリッドが話し掛けてきた。 「あ…いや…」 「寝れねえんなら、話し相手になってやるよ。…小難しいのは勘弁だけどな。」 「…リッド…。」 「こっち来ねえか?」 リッドは上半身だけ起き上がり、自分の隣をポンポンと叩いた。 「な、なんで…!!」 「なんとなく。…すっげー久しぶりだから、一緒に寝るのも悪くないんじゃって思って。」 「はあ?」 「まあ、細かい事は気にすんな。」 リッドにせかされ、僕はしかたなくそっちのベッドに腰掛けた。   僕は刹那、嬉しそうなリッドの瞳の中には、少し寂しい気持ちがあると、そう感じた。直感は、アテに出来ないようで出来る。 「リッド…どうかしたのか?」 「…何がだ?」 リッドはあの笑顔を携えて僕を見ている。 「なんだか…その……寂しそうだ。」 リッドは驚いたのか目を大きく開いた。
/22ページ

最初のコメントを投稿しよう!

18人が本棚に入れています
本棚に追加