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リッドは驚いているようだが、正直言うと僕自身、こんな事を言ったことに対して驚いている。
「…ああ。…寂しかった。」
「…過去形?」
「俺、最近まで長いこと一人だったからさ、なんか…一人でいる事に慣れちまってたんだよ。」
リッドが目を逸らしつつ話し出した。
「リッド…」
「麻痺してたっていうのかな。でも、…メルディが空からふってきて、ファラと一緒にラシュアンを出て、それで…」
リッドは、僕の顔を見た。
「…それで?」
「またお前に会えた。チビの頃と同じ、3人がそろう事が出来た。そして、…ぬくもりの暖さがまた体に染み付いた。」
「………」
「だからさ、キール達がいなくなって、結構辛かったんだよ。…ついさっきもさ、俺、ちょっと怖かった。」
微かに笑ったリッドは、目を伏せた。
「そうだ、キール。」
「何だ?」
「一つ確認したいんだ。お前は俺の事、どう思ってる?」
「お前の…事……?」
僕は、何と言えばいいのかわからなかった。
大事は大事だけど、この気持ちは何なのか…自分でもわからない。
この沈黙をどう思ったのか、リッドが声を荒げた。
「わ、悪い!こんな事きいちまって!…気持ち悪いよな。…悪い。」
「そ、そういう訳じゃない!!僕は…、僕は…!!」
「キール…?」
「…僕も、リッドと同じ気持ちなんだと思う。つ……つまり……」
僕は唾を飲み込んだ。
「「大切」って事なんじゃ……無いのか?」
リッドが、また目を大きく開いた。
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