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「松島様のタイプ聞いてくるの忘れたぁ。どんな系統で攻めたら良いか分からないじゃん、どうしよう。
菊っちゃんに電話……」
私としたことが初歩的なミス。
相手の望んでいるタイプを聞いてくるの忘れちゃった。
私はカバンから携帯を取り出し、菊っちゃんに電話を掛けようとすると……。
「待ち合わせ時間遅れてます。もう、すぐそこですから歩いて行ってください。
外灯の下に立っている白のTシャツにジーパンの男性です」
半ば強引に私は車からおろされ、何も情報がないまま客のところへ行くことに。
私は生唾を飲み込み、気合いを入れて歩き出した。
「松島さんお待たせしちゃってごめんなさい。待ちましたよね?」
私は息を切らせて、上目遣いで客を見る。
もうここからプレイは始まっているのだ。
もちろん、この登場も計算し尽くされた私の技の一つ。
あなたに早く会いたくて走ってきちゃったのよ作戦。
上目遣いであなたをロックオン。
「あっいえ、待ってません」
客は上から下まで舐めるように私を見た。
もしかして私の技効いてない?
しかも、タイプがこんな女じゃなかったとか?
キャラミス!?
私はチェンジ(第一印象でキャストのタイプが合わないと思ったら違うキャストに変えることが出来るシステム。ただし一回まで。二回目からは有料)されるのではないかと冷や汗をかく。
チェンジされたからと給料に影響することはないけど、プライドは傷つくし二度とチェンジされた客のところにつくことはない。
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