カエルの王様

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子供の鞄に乗り お婆さんの風呂敷袋に掴まり 時には、酔っ払いのサラリーマンの寿司のお土産に飛び乗り              なんとか… なんとか私は目的地の土手へやってこれた ………… これが昔父と見た風景だ 彼は何を思いながらこの景色を眺めたのだろぅ… そしてなぜ私をここへ連れてきたのだろう… 今となっては答えの無い問いになってしまった しかし… しかし、あの日見た父の顔は誇らしかった記憶がある 今の私はどうだろう …………… ひどく疲れ切り カエル国を顧みず自分勝手に旅に出た私は わが息子の目に誇らしく写るのであろうか… 写るはずもない… このような情けない父を許して欲しい… そして、現実に無理だとしても、私とは違う道を進んでほしい              これじゃまるで遺書のようだ              ふふっ 自分の面白さにちょっとだけ笑ってしまった              「これでいぃ 自分の道は自分で決めればいい 道に迷えば止まればいぃ してはいけないことは 絶対に人のせいにしないことだ これはあなたの人生だから」 BY.蛙の王様
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