カエルの王様

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次はどこへ行こう 千の夜をこえて今あなたに会いにいこうか 隣人十四号室にいこうか 大名行列のできる法律相談所へ行こうか              行きたい所が多すぎる 私は優柔不断すぎる 妻がいればこんなときはスパッと包丁で蒲鉾を切るかの様に決めてくれるのだが…              いかん、あーいかんいかん 一人旅に出てまで妻に頼ってどうする これじゃ何のため旅に出たのか意味が無い こういう時は…              コンビニでお出かけマップを読もう 若者に人気のデートスポットへ行こう              ピョコッ シーン ピョコッピョコッ なんということだ カエル国で一番でかい図体をしておきながら 自動ドアの一つも開けきれないとは… 人間様と同じ物差しで自分を測ろうとしたのが間違いだった… 今度全国コンビニ連盟にカエル専用自動ドアの設置の嘆願書を書こう 今は人様に紛れてなだれ込むしかない すいませんコンビニ店員様 体重的に自動ドア規定をクリアできないこの私めを、どうか一つ、ボクサーの減量失敗を寛大に見逃してくれた世界チャンプのような暖かい目で見逃してくださいませ。あなかしこ              …今だ! かえるじゃーんぷ! 一世一代の大博打に、どうやら私は勝てたらしい ミッションコンプリート …? 入ったはいいものの、私はここへ何をしにきたのだろうか まいった…非常にまいった ものの数分前の考え事を忘れてしまうとは アルツハイマーここに極まりである 恐ろしい…ぁあ恐ろしや 頭のシナプスが悲鳴を上げながら引き裂かれていく様を見るようでアール              とりあえず冷静になろう 冷静になるため頭を冷やそう ちょうどいい感じに冷えそうな場所がある "アイス"と言うものがある"れいとうこ"なる物へ入ってみようではないか              十分経過…二十分経過…              さっ寒い…ガラス一枚の差しかないのになんという温度差、人間様の科学もついに温度まで支配してしまったのか、ここは私のような田舎カエルがいる場所ではないな…でよう…ついでにコンビニもでよう…              「自分に似合う服を着ればいい 他人の服を着てもそれはあなたの服ではない 背伸びしなくても 自分に似合う服を着たあなたが 一番素敵なのだ」 BY.蛙の王様
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