淡い赤色の

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「真優みたいにキレイになりたくて…髪を伸ばしてるのも、アナタを真似てるからなの」 日野さん私の首元に手を伸ばし、そこから髪を解す様に降ろした。 …この人大胆過ぎる。 それとも、私が好きだって分かってからかってる? 「なんだかなぁ…、それでも上手くいかないものよね」 日野さんにとって、今のウェーブの髪の毛があまり好きではないみたい。 生まれつき真っ直ぐな私の髪。 生まれつき少しクセのある日野さんの髪。 それは長さを同じにしようとする程、お互いの形は遠くなっていく。何かを使って、無理矢理形を整えなければ、決して近い存在にはなれない。 私が言う、日野さんの“キレイ”。 日野さんが言う、私の“キレイ”の様に。 「…私は…私は、日野さんが周りから良く思われたくて優しく振る舞っていたとしても…それでもやっぱり、日野さんが好き」 好きって言ってしまった。今、さり気なくだけど好きって言ってしまった。 いや、もうこの際ハッキリと…、
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