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そのスクール鞄隣りに、ブックカバーの付いた薄っぺらい本が隠れている。
タイトルは見えなかったけど、どんな本を読んでるか気になる。
日野さんは、スクール鞄の一番手前のポケットを開いて、丁寧に包まれたピンクの袋を取り出した。
「はい」
袋の向きを私に合せ、両手で差し出した。
なんせ中身がなんだか全く予想がつかなかったので、私はその袋を受け取っても、ただしばらく眺めているだけだった。
それを見兼ねた日野さんは、私と肩を並べて、「いいよ、開けてみて」と囁いた。
取り敢えずプレゼントって事は分かった。だから形を崩さないよう、物凄く神経を使って袋を開く。
「…リボン?」
中から顔を出したのは、淡い赤色のリボン。
その派手過ぎず、かと言って地味過ぎない色合いは、セクシーで大人っぽい。
だけど、間を空けて不規則にちりばめられているラメから、女の子らしいフェミニンな雰囲気も見受けられる。
「うん。好きになった子にあげようって、決めてるの」
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