淡い赤色の

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誕生日くらいの特別な日にしか貰わないプレゼントを、今日、ごく普通の何もない日に、しかも大好きな人に貰った。 私はそのリボンを広げ、手の平に載せて観賞していた。 「もっとも、誰かにプレゼントしたのは、今回が初めてだけどね」 そんな私を見て、日野さんが機嫌良さそうな声で言う。 “誰かにプレゼントしたのは、今回が初めてだけどね”…? それって…もしかして…日野さんは、私が好きだって事になるの…? 私ってば自意識過剰だな、とも思いながら、心臓の動きは更にスピードを増していく。 もしかして心臓の音、聞こえてるんじゃない? 「…嬉しい…、ありがとう日野さん。ずっと大切にするね」 私は胸の鼓動を隠すように、そのリボンをギュッと抱いた。 日野さんは腰に手を乗せ、「うん」と頷いた。 「それじゃぁ…、御礼を頂いてよろしいかな?」 しばしの沈黙。喜びのあまり閉じていた目を開いて、ゆっくりと顔をあげる。そしてその先に見える、意地悪い表情の日野さん。
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