気紛れな画家

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感謝の言葉を聞きたかったんじゃない。 聞きたかったのは、私が輝の役に立てているかどうか。 それを輝本人の口から聞きたかった。 「輝、大丈夫だよ。あんたが迷惑じゃなかったら…ずっと側にいてあげるから」 そう言った後、輝は握っていた私の左手を、そっと両手で包み込んだ。 輝、私はこれからもあんたの側で、共に思い出を作り、あんたが見たい風景をなるべく鮮明に伝え続ける。 約束する。 必要ならば、この身朽ち果てるまであんたの目でいると。 だから私にもお願いがある。 あんたの目でいるということが、私の存在意義であると、胸を張って言わせて欲しい。
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