~始まり~

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ベルの音がする… 朝6時を告げる時計の音に、彼は不機嫌そうに起き出した。     (頭が痛い…昨日の酒か…)   『やかましい…少し、黙れ』   彼は布団から手を出だしてボタンを探る。 音が止む。   『あ~……朝か、仕事……行かな仕方ないわな』   ため息 彼は布団から起き上がり、着替え始める。 朝食はとらないのが普通だった。   (ん?牛乳がない……)   また、ため息 最近増えている、彼は平凡な自分が嫌いだった。   『てか最近俺暗いな……』   (いや、昔からか?)   『やっぱ学生の時は良かった……』   そんな後ろ向きな事を考えながら、ドアを開ける。   1月の冷気が入り込み、彼の体を冷やして部屋へ吸い込まれていく。
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