この愛を君に捧ぐ

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【光一ありがとう】 ハルが最期に残したのは、光一に宛てた言葉だった。 ハルはそう言うと、静かに息をひきとった。 「午後6時21分、お亡くなりになりました。」 医師はハルの脈を確かめると、そう言って頭を下げた。 「いやぁーぁぁっ…………!」 愛海は、力の抜けたハルの手を握りしめながら泣き崩れた。 光一は泣きじゃくる愛海の肩を抱きしめ、身を寄せるように泣いた。 悲しく切ないメロディーは、 ハルが息をひきとるのを見届けるかのように、静かに終わった。
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